こんな人のための記事です。
育児をするにあたり、読み聞かせをオススメされるママ・パパは多いのではないでしょうか。
でも、いざ読み聞かせを始めようと思っても、正しい読み聞かせの方法がわからず、
「このやり方で合っているのかな?」
「子どもがぜんぜん絵本に興味を持ってくれない」
と悩んでいる人も多いと思います。
そこで、今回の記事では、読み聞かせを5年以上、続けてきたキョロが、オススメの読み聞かせの方法について、解説します。
記事の概要はこちらです。
- 読み聞かせのコツ
- 読み聞かせに重要な絵本パーツ
- 読み聞かせの注意点
- 読み聞かせに最適な時期
- 子どもが絵本に興味を示さないときの対処法
執筆者キョロは、こんな人です。
- 絵本講師
- 読み聞かせ冊数はのべ25000冊
- 読み聞かせ歴約6年
- 自宅には約800冊の絵本あり
- 本好き親子
- 5歳の女の子の母
読み聞かせにはたくさんのメリットがあります。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
読み聞かせのコツ
まずは、読み聞かせのコツについてお話します。
読み聞かせのコツはこちらです。
- 自然な速さで読む
- 抑揚はつけなくてよい
- すぐに読み始めない
- スキンシップを大切にする
- 絵を妨害しない
- 絵本の位置を固定する
- ページをめくるタイミングに注意する
どれもカンタンに実践できることですので、肩肘を張らずに、楽な気持ちで取り組んでみてくださいね。
ママやパパが楽しく取り組むことが大切だよ。
詳しく見ていきましょう。
自然な速さで読む
絵本を読むときは、自然な速さで読むよう心がけましょう。
赤ちゃんに向けて読むときも、少しゆっくりめにハッキリとした声で読み聞かせればOK。
言っていることを理解できない時期だったとしても、文章を一文字ずつ区切って読む必要はありません。
むすめに、自然なスピードで読むことを心がけて5年以上経ちましたが、ちゃんと言葉を理解しています。
普段、話しかける速さで読めばOK!
抑揚はつけなくてよい
読み聞かせのときは、無理して抑揚をつける必要はありません。
特に、家庭の場合は、淡々と読めば大丈夫です。
登場人物の会話のところなどで、抑揚をつけすぎると、子どもの注意が絵本からそれてしまいます。
絵本の内容よりも、ママやパパの言動が気になってしまわないよう、派手な演出は避けたほうがいいと思います。
うちのむすめは、登場人物の会話を淡々と読んでも、誰が話しているのか、ちゃんと理解できているようだよ。
絵を妨害しない
絵本を読み聞かせているときは、絵が子どもにしっかり見えるように、持つ位置やページのめくり方を工夫しましょう。
- ページをめくる際に、絵が見えなくなる
- 読んでいる際に、手で絵が隠れてしまう
こういったことはできるだけ避け、絵を読むことに集中できるようにするのがオススメです。
ちなみに、わたしはこの画像のように、読んでいます。
ひざに乗せて読んだり、同じ方向から読む場合は、めくるときに絵がさえぎられないように、注意しましょう。
ページをめくるタイミングに注意する
ページをめくるタイミングをしっかり見定めると、子どもが絵本の世界に集中しやすくなります。
読んだらすぐ次のページへ進むのではなく、子どもが絵をしっかり吟味してからめくるのがオススメです。
子どもの様子を見ていると、「もうこのページには納得したんだな」というのがわかるようになってきます。
子どもの様子を見て、判断していきましょう。
むすめが次のページに進むように指示するまで、ずっとそのページを見せていた我が家。
赤ちゃんの頃からの習慣で、わたしが「うん」と言うまでは、次のページに進まないよ。
すぐに読み始めない
絵本を開いたら、少し間を置いてから文章を読み始めるといいですよ。
大人はつい文字ばかりに注目してしまいますが、子どもは絵を見ることとママとパパの声を聞くことで、絵本の内容を理解しています。
字が読めない子どもなら、なおさら絵とママやパパの声が重要になってきます。
当たり前だけど、絵本では「絵」が重要な役目を果たすんだよ。
ページを開いてすぐに読み始めるのをやめれば、子どもはまず絵を見て想像を膨らませるでしょう。
読み始めるのは一呼吸置いてからでOKです。
スキンシップを大切にする
読み聞かせのとき、ぜひスキンシップを大切にしてみてください。
絵本を読みながら、体に触れる。
子どもをひざに乗せて絵本を読む。
肌と肌の触れ合いがあることで、子どももより安心して絵本を楽しむことができます。
読み聞かせの習慣をつけるために大切なのは、子どもに「読み聞かせの時間=快感」と感じさせること。
はじめのうちは、絵本の内容を理解することよりも、子どもが絵本の時間を楽しいと思ってくれるかどうかが鍵なのです。
読み聞かせに重要な絵本パーツ
読み聞かせで、重要になってくる絵本のパーツなどについてお話します。
読み聞かせでは、ただ絵本を開いて読み聞かせるのではなく、以下のパーツも子どもにしっかり見せ、読み上げることをオススメします。
- 表紙
- タイトル・出版社・著者
- 見返し
- 扉(中表紙)
- 裏表紙
詳しく見ていきましょう。
表紙
絵本は表紙から物語が始まっています。
読み手であるわたし達は、文字や文章に気をとられがちですが、子どもは絵をしっかり見ています。
まず、表紙を見せ、絵本が始まることを子どもに実感させた上で、見返しに進んでいきましょう。
タイトル・出版社・著者
表紙を見せたら、タイトル・出版社・著者を読み上げます。
子どもって意外なことを覚えているもので、読み聞かせのときに読んだ絵本作家の名前を覚えていて、書店で「あ、この人、◯◯の絵本の人だよね?」と聞いてくることもあります。
もし、ある絵本作家さんに興味を持ったら、その人の絵本をごっそり図書館で借りたり、購入してみるのがオススメです。
うちのむすめは、図書館でヨシタケシンスケさんの絵本を見ると、すぐに持ってくるよ。
新しい絵本を購入するときも、ヨシタケさんの絵本を選ぶよ!
むすめがハマっているヨシタケさんの絵本はこちら。
ちなみに、価格や対象年齢などは、読まなくてOKです。
見返し
見返しは、表紙の裏側にあたります。
表紙を見せ、タイトル・出版社・著者を読み上げたら、見返し部分を開き、子どもに見せ、そして中表紙へと進んでいきます。
見返しは、絵が描かれていたり、白紙になったりしていることが多いのですが、子どものワクワク感を引き立てるのに役立ちます。
長く見せなくてもいいので、数秒間は見返しのページに割いてみてください。
見返しに絵本の内容を補足する絵が描かれていることも!
ママは、読み聞かせる前に絵本全体に目を通しているよね!
扉(中表紙)
中表紙には、表紙と同じくタイトルや著者が書かれていることが多いのですが、こちらも飛ばすことなく、読み上げ、描かれいている絵もしっかり子どもに見せていきましょう。
中表紙の時点で、すでに絵は物語が始まっていることもあります。
ぜひ絵本を読む前に、絵を見てみてください。
表紙、見返し、中表紙、裏表紙と目を通すと、それぞれのパーツが絵本の内容を補い合っていることに気づくと思います。
ちょっとじれったいけれど、絵本全体を楽しんでね!
裏表紙
裏表紙の絵は二通りあります。
- 締めくくりの絵が描かれている
- 表紙に続いた絵が描かれている
締めくくりの絵が描かれている場合は、文章を読み終えたら、裏表紙までしっかり見せて、終わりにします。
表紙に続く絵が描かれていて、はじめに見せておいたほうがよさそうな場合。
いちばんはじめの、表紙を見せる時点で絵本を大きく開き、裏表紙も見せてしまうのがいいですよ。
わたしは、はじめに、表紙と裏表紙、両方見せていた場合でも、最後にもう一度、子どもに見せるようにしています。
その際にはタイトルも読み上げます。
表紙と裏表紙の絵を見て、気づくこともたくさんあるんだよ。
絵本の世界を味わい尽くそう!
ちなみに、カバーははずすのをオススメされている絵本講師さんが多いです。
我が家でも、読みにくくなるのを防ぐために、赤ちゃんの頃はカバーをすべてはずしていました。
でも、むすめが大きくなった今はつけたままにしています。
ときどきカバーにも、絵本を補足する内容があるためです。
読み聞かせの注意点
読み聞かせのときの注意点についてお話します。
注意と言っても、読み聞かせには「絶対こうじゃなきゃダメ!」というようなルールはありませんので、神経質にならずに絵本の時間を楽しんでくださいね。
あえて、注意点を挙げるなら、以下の内容ですね。
- 絵本は吟味して選ぶ
- 質問をしない
- 絵の説明をしない
- 繰り返しを拒まない
- 義務にしない
- 教え込まない
- あきらめない
詳しく見ていきましょう。
絵本は吟味して選ぶ
絵本選びには、しっかり力を入れましょう。
特に、繰り返し読む絵本は良質なものをオススメします。
どんなに絵本を読んでも、その絵本の質が悪ければ、読み聞かせのメリットを活かしにくくなります。
子どもが選んだ絵本ばかりではなく、親が内容を吟味し、選んだ絵本も読み聞かせていきましょう。
質問をしない
絵本を読むときは、質問はせず、淡々と読んでいけばOKです。
途中で質問を挟むと、文章の流れが止まってしまったり、子どもの集中が逸れてしまったりします。
たとえば、『きょだいな きょだいな』(作・長谷川摂子/絵・降矢なな/福音館書店)などの絵本は、続けて読むことで、文章のリズムが引き立ちます。
子どもから質問をされた場合は、答える時間や対話をする時間をとるのもいいのですが、あえてこちらから質問をする必要はありません。
絵の説明をしない
基本的に、絵の説明もしなくて大丈夫。
子どもの想像にまかせましょう。
質問や説明をしないからこそ、絵本は繰り返し読んであげてほしいなと思います。
繰り返し読むためにも、絵本は購入をオススメします。
ただ、子どもがまったく絵本の内容を理解していない場合や、子どもに聞かれた場合は、説明をするのもアリ。
また、絵本『バムとケロ』シリーズなどは、絵がとても緻密に描かれているので、読み方を変えて、子どもとじっくり絵を楽しむのもいいですね。
絵のどの部分に注目するかは、子どもそれぞれで違うよ。
繰り返しを拒まない
子どもが、何度も同じ絵本を持ってきても、繰り返し読んであげてほしいと思います。
繰り返し同じ絵本を読むことには、大きなメリットがあります。
- 記憶に残りやすくなる
- 絵本への理解が深まる
- 語彙が増える
- お気に入りの絵本が増え、より絵本が好きになる
こういった効果が期待できますので、ぜひ繰り返し絵本を読んであげてください。
赤ちゃんから読み続けてきた絵本は、もう何十回も読んでるなぁ。
その効果もあって、ちびキョロは、絵本の文章をそっくりそのまま覚えているんだよね!
絵本の購入をオススメする理由を詳しく解説している記事は、こちらです。
義務にしない
読み聞かせは、肩の力を抜いて行いましょう。
義務にしなくていいのです。
「ちゃんと読まなくちゃ」
「毎日、欠かさず続けなくちゃ」
こんなふうに、自分にプレッシャーをかけてしまうと、読み聞かせを続けるのがつらくなってしまいます。
子どものために始めた読み聞かせのせいで、イライラして子どもにその怒りをぶつけるようになってしまったら、本末転倒です。
ママが読み聞かせに慣れるまでは特に、無理をせず、「読めるときに読めばOK」という考え方でやっていくのがオススメです。
ちなみに、読み聞かせを継続すればするほど、読み聞かせは楽になっていきます。
むすめが赤ちゃんの頃は、読み聞かせがつらかったけれど、5年以上続けた今は、楽に読めるよ。
教え込まない
絵本を読むとき、「何かを教えてあげなければ」と必死になってしまうと、子どももプレッシャーを感じて楽しめなくなってしまいます。
わざわざ何かを教え込まなくても、絵本を好きになれば、子どもは自然と知識や言葉を習得していきます。
「先生」と「生徒」のような関係にならなくて済むよう、楽な気持ちで読み聞かせを始めてみてくださいね。
あきらめない
読み聞かせを始めたばかりの頃、子どもはあまり絵本に興味を持たないかもしれません。
我が家もまったく興味を示さなかったなぁ。
それでも、しぶとく読み続けていると、「あれ?いま絵本に反応した?」と思う瞬間が増えていきます。
もし子どもが興味を示さなくても、あきらめずに読み聞かせを続けてみてほしいと思います。
わたしがママに読み聞かせをせがむようになったのは、読み始めて9ヶ月くらい経ったあとだって!
読み聞かせに最適な時期
「読み聞かせのコツはわかったけれど、いつから始めたらいい?」
こんな疑問にお答えします。
読み聞かせは、いつから始めてもOK!
子どもがある程度、大きくなっていても、ぜひ今から始めてみてください。
確実に読み聞かせの習慣を身につけたいのなら、赤ちゃんの頃から始めるのをオススメします。
我が家では、生まれて2カ月ごろには読み聞かせを始めていて、1歳頃にはむすめのほうから、絵本を持ってわたしのところに来るようになりました。
一日に何度かにわけて、ベッドに横になっているむすめに読み聞かせ、寝る間も数冊。
絵本をなめられたり、読んでいるのをおかまいなしに、ページをめくれたりもしましたが、めげずに地道に続けた結果、今は大の絵本好きです。
義務にはしなくていいけれど、できるだけ毎日、読むと習慣が定着しやすいよ。
気づいたときには、「寝る前=絵本」って思い込んでいたかも!
子どもが絵本に興味を示さないときの対処法
子どもが絵本に興味を示さないときの対処法についても、解説します。
具体的には、こんな対処の仕方があります。
- 子どもが反応を示さなくても読む
- 楽しい雰囲気を作る
- 短い絵本を1冊からでも
- 気が散るものをできるだけ減らす
詳しく見ていきましょう。
子どもが反応を示さなくても読む
子どもが絵本に反応を示さなくても、読んでみてください。
反応がないと、やるせない気持ちにもなりますが、意外とほかのことをやりながらでも、ママの声を聞いていることも。
いずれ集中できるようになると信じて、読み聞かせを続けてみてくださいね。
楽しい雰囲気を作る
絵本を読み聞かせるときは、楽しい雰囲気を作ることを意識してみてください。
「ママが一生懸命、読んでるのになんで聞いてないの?」
こんなふうにイライラしてしまうと、子どもは「絵本の時間はママが怖いからイヤだなぁ」と思ってしまいます。
自分と子どものための読み聞かせです。
子どものためにやっているのに、そのせいでイライラして怒りをぶつけたら本末転倒。
おだやかな気持ちで読み聞かせができるといいですね。
短い絵本を1冊からでも
読み聞かせを始めたばかりの頃は、短い絵本を1冊読むことからでもOK。
絵本に慣れていない子であれば、絵本のレベルを落とすのもアリです。
たとえ6歳であっても、『いない いない ばぁ』とか、『だるまさんが』などのカンタンな絵本を読み聞かせてもいいのです。
実際に『だるまさんが』は、小学1年生でも楽しんでいるのを見たことがあるよ!
気が散るものをできるだけ減らす
読み聞かせのときは、気が散るものをできるだけ減らすのがオススメ。
- 近くにおもちゃがある
- テレビがついている
- パパがいる
こういった状況で読み聞かせをすると、絵本に集中してもらえないことも。
我が家では、読み聞かせの習慣がつくまでは、寝る前にベッドで絵本を読んでいました。
おもちゃもないし、ただ寝るだけの環境だったのがよかったようです。
1歳の頃には、毎日、1時間近く絵本に集中していました。
怒らずに絵本を読めるしくみを作ろうね!
まとめ
今回は、絵本の読み方や読み聞かせのときの注意点について、解説しました。
0歳の頃から読み聞かせを始めた我が家。
今ではむすめにとって絵本は、なくてはならないものとなっています。
赤ちゃん絵本を読んでいた頃は、「本当に絵本を好きになってくれるのかな?」と半信半疑でした。
何ヶ月も、反応のない時期がありましたが、それでも毎日、欠かさず絵本を読みました。
今は、毎日30分から1時間程度の読み聞かせに加え、むすめ自身もひとりで30分以上、絵本に見入っています。
育児に家事に、仕事に、とても忙しい毎日を送っている主婦さんにとって、絵本の時間をとるのはとても大変なことだと思います。
でももし、少しでも「絵本、読んでみようかな?」と思ったら、ぜひ1冊からでいいので、絵本を読んであげてください。
親子の絆を深めるひとつの方法として、読み聞かせが役に立ってくれるとうれしいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
読み聞かせのコツをつかんで、人生を変えよう!
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子どものために読み聞かせを始めたい。でも正しい読み聞かせの方法がわからない。